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クリーンバリヤー工法について [土壌表面皮膜形成工法]


みなさん、こんにちは。

今回のメール相談は「クリーンバリア工法」についてです。
あいにく私はこの工法の経験がないんですよね。

シロアリ防除の工法としてはこの「クリーンバリア工法=
土壌表面皮膜形成工法」や、ほかにも「発泡施工法」とか
「土壌表面シート敷設工法」「パイプ吹付け工法」などの
方法がありますが、予防の場合はともかく駆除の場合は
どうかしら?と思うことがあります。
また、先行きの床下のメンテを考えた場合にはどうかしら?
・・ということで私の思うことを率直に返答させてもらいました。

もちろん、これは私の考えなので絶対ではないですから、
あくまで参考程度にお考え下さいね。それでは始めましょう。

(それからこの工法についての写真がないのでふつうの新築
防除の写真を使いました。本文の内容とは直接関係ないです)


はじめまして。●●といいます。 

ホームページを数か月前ほどから拝見させていただいております。 

いきなりの質問で恐縮なのですが、「クリーンバリア工法」を施工
しようと考えているのですが、
toyo様からみてどう思われますか? 
現状床の湿度は雨の日は高く、土を握れるほどの水分があり、室内の
湿度が冬でも80%ぐらいあります。 
たまに床下を覗くとうっすらと白い綿のようなカビが発生している時が
あります。床下換気扇はもともと設置されていました。 
「クリーンバリア工法」を施工し換気扇を取りたいのですが期待できる
のでしょうか? お忙しいとは思いますが、お時間があるときにでも
結構ですのでご返信いただけたら幸いです。 よろしくお願いいたします

IMG_0001.jpg



●●様

はじめまして、(略)

さっそくですが私なりの考えを書かせてもらいますね。
まず、私はクリーンバリヤ工法については未経験なので賛成して
いいものか、どうか正直なところわからない・・というのが本音
なんです。ごめんなさい。
この工法はしろあり対策協会でも認定されていますのでそれなり
の効果はあると思います。

おそらく●●様は・・・
>現状床の湿度は雨の日は高く、土を握れるほどの水分があり、
室内の湿度が冬でも80%ぐらいあります。たまに床下を覗くと
うっすらと白い綿のようなカビが発生している時があります。


・・ということから、それならシロアリ防除もできて、バリヤー
(薬剤の皮膜)で、地面を覆えば、きっと「地面から登ってくる
水分=蒸気圧」も抑えこめるだろう・・と思われてとのことじゃ
ないかしら?と、想像しましたが違うかしら?


で、昔、私もそう考えて採用しようかなあ~?と思ったことが
あります。でも、結局、熟考の末、採用しませんでした。
その理由はふたつあります。

①クリーンバリヤ工法で防除して、もし、数年後に羽アリが発生
して(クレームになったら)再度、床下で作業しなければならなく
なったとき、当然、床下に張った「皮膜が壊れて」しまうからです。


あるいは、クレームでなくてもアフターや床下の配管等に異常が
起こって、床下にもぐらなければならなくなったときにやはり皮膜
が壊れてしまうな・・と思いました。

つまり、クレームやメンテの場合に再施工しなければならない・・
ということ。

で、現実にはクレームはけっこう多いんです。オフレコですが、
どの会社でも5~10%はあると思います。だから、
100%完全に
防除(駆除&予防)できて「今後、床下に潜る必要がまったくない」
なら有効だと思っています。

しかし、「配管やガス管、洗濯機の漏水などは意外と多い」ので
シロアリに限らずメンテを考えたらちょっとまずいかも?・・と
思ってクリーンバリヤ工法は採用していないんです。

②床下の湿気の原因はふたつあります。私は「下からの湿気=蒸気圧の
こと」「ヨコからの湿気=外気が床下に入って温度差で起こる結露のこと」
という言い方をしていますが、多くの方は床下の湿気の原因としてはどう
しても「下からの湿気」だけを思い浮かべてしまいます。

でも、実は「ヨコからの湿気」も凄まじいものがあります。
ブログでもその様子を紹介したことありますが、手っ取り早く確認した
かったら、猛暑の夏場に床下にもぐれば基礎に夥しい結露を見ることが
できると思います。

で、クリーンバリヤ工法の場合はたしかに「下からの湿気」は皮膜で
押さえ込むことはできると思います。しかし、経年的には逆に「皮膜の
下に水分を溜め込む」結果になるのでは?と思います。

よく、大工さんが湿気の強い家から頼まれて、床下にビニールシート
(防湿シート)を貼ってしまう工事をしていますが、これは「短期的
には効果はあっても」長期的には弊害もあります。
というのは、ビニールシートの上に結露が溜まって、ちょうどシートの
上に「ホースで水を撒いたような状態になる」からです。これも一般の
方は信じられないと思います。それで、その写真をブログに載せたこと
もあります。結露は想像以上に凄いし家を傷め大きな要因です。
わかりにくい説明ですみません。

ついでに、私が床下換気扇に否定的なのは自分の経験からです。
まったく効果がないことはないけど、腐朽(腐朽菌)までは換気扇で
押さえ込めない・・と思ったからです。木が腐る・・というのは腐朽菌
という菌類の仕業で自然現象ではないんですよね。

で、いろいろ床下の湿気対策で実験してみたのですが・・私なりの結論は
外基礎に「通気口を増設」して自然の風を通す。これならたいしてお金も
かからないからです。まず、これをやってみて・・それでも不十分だったら
そして、予算が許すなら炭を敷く・・です。炭を敷く(敷炭)ことについて
は長い説明になりので今は省かせてくださいね。

ざーっと、思いつくままに書いてみました。私の言うことがベストとは
思いませんが参考にしてくださいね。
質問があったら何度でもメールを
ください。
私の拙い経験からでよければ何でも精一杯アドバイスさせてもらいます。
それでは●●様にいいことがありますように。

失礼しました。

001 - コピー.jpg


早速のメールありがとうございます。
本当にわかりやすい教示をいただきました。
自分の中にも、「床下に
水たまりを作るのかな?」と言う不安がありました。

換気扇は三菱を使ってますが、そろそろ10年目になるみたいなので取り
外ししたかったこともあり、違った施工方法で湿気を解消しようと思い
相談させていただきました。
床下の高さが庭の高さより50?100?低いので、庭に透水パイプを通し
床下に防水シートを施工しようかと考えておりました。
費用や子供が小さいので工事の事もありいろいろ悩んでおりました。

もう少し、工法を考えていきたいと思います。
お忙しい中、本当にありがとうございました。

012 - コピー.jpg

●●様


おはようございます。

メール、ありがとうございます。
なんとなく状況がわかってきたので・・・・参考になるかしら?
一応書いてみますね。

>換気扇は三菱を使ってますが、そろそろ10年目になるみたいなので
取り外し
したかったこともあり・・

そうですね。10年だとそろそろ寿命ですね。フアンの回る時に異音は
しませんか?
ふつうはベアリングが摩耗してくると、小さな音・・キーッ
キッキッ・・とか。
そういう異音が始まったら取り外したほうがいいと
思います。まだ、異音がしなかったら
大丈夫です。
異音がするか、しないかを取り外す目安にすればいいです。

>床下の高さが庭の高さより50?100?低いので、庭に透水パイプを通し
床下に防水シート
を施工しようかと考えておりました。


これは、よくあるんですよね。新築時はそうでなくても、庭作りでいつの
まにか「床下の地面
が低くなって」外が高くなってしまったり・・あるいは
道路工事で道路側が高くなってしまったり・・

で、これは「側溝」や、おっしゃるように「庭にU字溝を通す」のも有効な
方法だと
思いますが、問題は土建屋さんに頼むと、40~50万とか
けっこう費用がかかってしまいますよね。

前に、ある若夫婦の方が中古の住宅を買ったら、雨が降るたびに「床下に
水が湧いてくる」ので
困ったという話がありました。駆除を頼まれたのですが、
そういう状況では薬剤が水分でダメに
なりますから駆除も無意味だし。
私も困ってしまいました。
その家は外回りに側溝がなかったし、床下地面が
外よりもかなり低かったです。

で、側溝を作る予算もなかったので、ホームセンターでU字溝を買ってきて、
家の外回りをぐるっと深さ20~30センチくらい掘って、そこにU字溝を
埋め込んだら成功しました。
かかった費用、はU字溝代金と、工事は元土建屋
だった親戚のおじいちゃんが掘ってくれたので、
お酒を2本だけあげたそうです。

もっとも、●●様のほうは既に側溝があるかもしれないから、そうだとすると
やっぱり透水パイプになるのかなあ~?まあ、これも自分でやろうと思えば
できますよね。たしかネットで素人でもできるような説明をしているサイトを
見たことがあります。

・・ということでたいしたアドバイスもできなくてすみません。

それから、もっと質問がありましたら、このメールに返信してくださいね。
忍者のほうは千字までなので長文は無理なんですよね。それではあんまり
参考にならないアドバイスですみませんでした。

014 - コピー.jpg


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