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床暖房とシロアリ。 [シロアリ]


みなさん、こんにちは。

今では床暖房もかなり広まってきましたが、以前、床暖房がまだ
珍しかった頃にこんな経験があります。

たしか、1月の寒い時期に某居酒屋に行ったとき、座椅子の後ろ
をひょいと見ると、フローリングの隅をゴキブリがススーッと元気に
走って行きました。ギョッとしました。

フローリングに触ってみると暖かい。床暖房でした。
なるほどねえ、と思いました。冬場でも床暖房はゴキブリにとって
は快適なんだ。人間にとって快適な環境は、いろんな虫たちに
とっても快適なのは当然ですね。

ちなみに、シロアリは分類学的には「ゴキブリ目」です。
つまり、ゴキブリとシロアリは先祖は一緒。蟻とはまったく違う虫です。
(ついでに・・蟻はハチ科です)
一見、アリに似ているからシロアリと呼ばれるようになったのでしょう
が、白ゴキブリといったほうが正解だと思います。

シロアリは気温が6度以下だと休眠(活動停止)しますが、それ以上
だと活動します。その意味では床暖房は冬場でも活動できる環境を
シロアリに提供することになります。
一般的に、メリットの裏にはなんらかのデメリットがあると思った方が
いいと思います。

だからといって床暖房をイケナイという気はないですが。だって、
冬場は床暖房は快適ですものね。シロアリ対策さえちゃんとやれば
問題ないと思います。

今回は床暖房の工事をしている某会社からの相談でした。
こういう相談をしてくること自体、とても真面目で良心的な会社だなあ、
と思います。できればこのような会社に工事をお願いしたいですね。

それでは始めましょう。

002いあ.jpg
(床暖房の写真をもっていないのでネコ写真で誤魔化します・笑)



ブログを拝見しました。

意見をお聞きしたいのです。よろしくお願いいたします。

弊社は床暖房を行なっていますが、今検討中のシステムがあります。

床下に暖房を入れて建物全体を温める方式です。


ブログのなかで床下を温めると良くないとのことですが

それはどうような条件の時ですか。

またシロアリが発生する確率と防ぐ方法があったら教えて下さい。


床暖房と床下の冷房を考えています。

年間をとうして換気、温度、湿度などの条件がどのようなときに

発生するか、教えてください。

よろしくお願いいたします。


 

●●様

初めまして。

メール、拝見しました。返事が遅れて申し訳ありませんでした。

で、さっそくですがご質問の・・

>ブログのなかで床下を温めると良くないとのことですがそれは
どうような条件の時ですか。

正直に言って、とても答えにくい質問といいますか、う~ん、
どうしよう。

シロアリはもともとは熱帯にいた虫ですので寒さが苦手なんです。

(北海道の稚内あたりには生息できないし、デンマークとか北欧
でも棲息していませ
ん)だから、特に冬期は高温部分に敏感で、
主に南側の土間コンクリートの下や温水器、浴室付近の下の暖かい
家に集まってきやすい・・のです。

そういう意味で「床下が暖かい住宅」はシロアリにとっては嬉しい
環境になります。
床下がベタコンでない昔の家なら、冬は寒いので
シロアリは活動停止します。
ちなみにシロアリは気温が6℃以下
になると休眠(活動停止)します。


でも、最近の高気密高断熱の家では、冬でも6℃以上の床下なら
シロアリは活動
できます。人間にとって快適な家はいろんな虫たち
にとっても快適な生息環境に
なります。

「床下を温めるとよくない」とはそういう意味です。


・・と、言われても床暖房をお仕事にされている●●様としては
困ってしまいますよ
ね。

あのぉ~、床暖房にすると確かにシロアリにとっては暖かいので
嬉しい環境にな
る・・のは間違いないですが、だからといって●●様
に責任があるわけではないと思いま
す。

だから、

>それはどうような条件の時ですか。

・・ということを考えるのは工務店の問題であると思います。

床暖房云々以前に、工務店がどういう床下にするか次第でシロアリ
の侵入の有無が
決まるからです。あー、私も説明が下手ですね。
すみません。

もし、その「条件」を考えるなら床暖房の工事以前に、どういう
床下にするのか、の
ほうが先である・・と言いたかったのです。

ちょっと脱線しますが・・たとえば、

① 床下がベタコンならできるだけ「一体型の基礎のする」。
なぜかというと
コンクリートの打継部分のある床下は将来、その
打継部分からシロアリが侵入する可
能性があるからです。

②基礎の配管の穴にしっかりと謀議用コーキングを充填する。
これはベタコンの場合
は多くの場合、配管の隙間からシロアリが
侵入する可能性が高いからです。

③基礎断熱・・とくに外断熱は要注意。理由は断熱材から簡単に
シロアリが侵入でき
るからです。

④基礎の化粧モルタルは止める。これもいずれ剥離したモルタル
の隙間からシロアリ
が侵入する確率がたかくなる・・からです。

で、この①~④は全部、●●様の床暖房の工事以前の、工務店の
扱う分野ですよね。

だから、●●様が仮に床暖房の工事をしてから、数年後に運悪く
シロアリが発生した
家があってもそれは●●様の責任ではありません。
床暖房しようとしまいとシロアリが侵入する最初の一歩は①~④が
原因だからです。

・・というわけで、

>またシロアリが発生する確率と防ぐ方法があったら教えて下さい。

・・については①~④が答えになります。確率については、ほんと
にわからないとい
うのが本音というか、相手も「生き物」なので
予測はできないのです。

また・・

>年間をとうして換気、温度、湿度などの条件がどのようなときに
発生するか、教えてください。

・・については(床暖房とは関係なく)とても一概に説明できない
・・というのが本
音です。たとえば・・「換気」が良い床下でも
シロアリが侵入するのは珍しくないし・・

「温度」も6℃以上なら季節に関係なく侵入するし・・「湿度」も
基本的には関係な
く侵入します。

というのは、シロアリは移動するときに必ず「蟻道」というトン
ネルを作りながら移
動するからです。この蟻道の内部は、実に精密
な温度・湿度管理がされているので、シロアリにとっては外気や外
の湿度はあんまり関係ないからです。

また、これ以上ないような丁寧な防除工事をしても、それでも侵入
された苦い経験が
何度もあります。

要するに相手が「生き物」だある以上は、これでシロアリが完全に
防げる・・という
ような方法はない、と思っています。

たしかに、床暖房でシロアリが棲息しやすい環境になるのは事実
ですが、だからと
いって床暖房が直接的な原因となって、シロアリ
被害が起こるわけではないと思っています。

あくまでも床暖房はシロアリ侵入の要因のひとつにすぎない・・
といいますか。

土地環境とか造りとかいろんな要因が複合的に重なって侵入する
からです。
直接的な主な要因は①~④だと思っています。
でもそれ以外にもたくさんあります。

なんだか、ぐじゃぐじゃな説明でごめんなさいね。
自分でも混乱してきました(笑)
もしかしたら●●様の知りたいこと
と大きく外れてしまったかもしれません。

もし、もっと具体的な事例からの質問がありましたら遠慮なくメール
をください。
ということで、どうか●●様にいいことがたくさん
ありますように。
それから、私の拙いブログにお目を止めていただ
いて心から感謝申し上げます。
失礼しました。


 

早速ご返信いただきありがとうございました。

前にも述べましたようにベタ基礎に配管を埋込みそこを熱源に
冷・暖房を
考えています。

たまたま茂木さんのブログを拝見してこの考え自体が間違って
いるようであれば
再考する、、、、、
迷ったのですがお話をお伺いいたしたく連絡をしました。

いろいろの条件が重なったときに発生するようですが早期に
発見できる目安があると
心配も少なくなるのですが

最悪の場合を考えて床下に人が通えるようにした設計を併せて
提案していきたいと
思います。

ありがとうございました。


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