駆除とは殺戮ではなく共生のため。 [シロアリ]
みなさん、こんにちは。
今回は具体的な駆除についての話ではないです。
「駆除=生き物を殺す」ということについての私の考えというか
勝手なアドバイスです。
ふつうは駆除する虫達にたいして私たちは無頓着です。
でも、今回の相談者の方は、「虫を殺す」ということにすごく悩み
心を痛めています。とても心優しい素敵な人柄だとお察しします。
で、余計なお世話かもと思ったのですが、心が少しでも軽くなれば
・・と思い、私なりの考えを書かせてもらいました。
みなさんは、どう思われるかしら?
(写真は本文とは無関係です。畳までシロアリに食べられた事例です)
toyoさま
先日、イエシロアリのことで相談させていただいた、○○の○○です。
その節はありがとうございました。
今日、シロアリ業者さんが来られて、点検していただいたのですが、
家の中に巣はなく、被害もないとのことでし先日は、少ない情報で
判断を求めたりしてすみませんでした。
うちの前が森で、海のそばということ、羽のない羽アリの数があまり
に少ないことなどから(これはtoyoさんも腑に落ちないといわれてい
ましたね)、森などにある巣から飛び立ったシロアリが、屋根裏に入り
込み(通気の隙間があります)、浴室の壁から降りてきたのだろうと
いうことでした。
ここ2週間ほど、心配で心配で、本当にたくさん、シロアリについて
調べました。toyoさんのブログの「シロアリ」カテゴリーの記事も、全て
読ませていただきました。かなり詳しくなったので、今日は業者さんに、
色々と深い質問もできました。
業者さんはひとつひとつ丁寧に答えて
くださったので、おそらく信頼できると思っています。
そばにシロアリの巣があることから、予防をすることしたのですが、
うちには犬がいるので、ベイト工法をしてもらうことにしました。
家になにもしていないシロアリをも殺すことについて、ここ1週間、
すごく考えたのですが、私はこの方法を選びました。
今、少し心が苦しいです。
シロアリは地球にとって益虫です。森の倒れた木や切られた枝が、
土に戻って行くのを見ると、本当にそう思います。
私は自然が好きで、田舎に家を建てました。植物を育てながら、毎日
庭での食物連鎖を見ることができます。虫も雑草も、何一つ無駄はない
と感じています。そんな私が、ベイト工法を選びます。
自然の神様、ごめんなさいという気持ちです。
toyoさんの記事の中で、壊した蟻道を、蟻が修正していたという記事
が一番好きです。私は、人間が生きるためには、犠牲になっている
生き物がいるということを、心に刻んでおこうと思います。
長くなりすみませんでした。
虫や生き物について、とても勉強になった1週間でした。
ありがとうございました。
○○様
こんばんは。メール、ありがとうございます。
そして、ほんとに良かった、良かったですね。
そして、私の予測がはずれて、私が三流防除士だという正体がバレ
てしまいました(笑)
ああ、でも予測がはずれたのに、嬉しいというのはなぜなんでしょう。
ほんとにおめでとうございます。まずは一安心ですね。
で、ちょっと気になったことなどについて書かせてくださいね。
といってもシロアリのことではなく・・
>シロアリは地球にとって益虫です。森の倒れた木や切られた枝が、
土に戻って行くのを見ると、本当にそう思います。私は自然が好きで、
田舎に家を建てました。植物を育てながら、毎日庭での食物連鎖を
見ることができます。虫も雑草も、何一つ無駄はないと感じています。
そんな私が、ベイト工法を選びます。自然の神様、ごめんなさいという
気持ちです。
これについて一言。私は職業としてシロアリやネズミ、ゴキブリ、
スズメバチ、チャドクガ・・その他いろんな虫達を「殺して」いるわけですが、
「駆除」というのは虫達との一種の「共生」のひとつのカタチであると
考えています。そして「共生」とは「住み分け」でもあると思っています。
(以下略)
私たちが思っている以上に、多くの虫達はたくましいと思っています。
○○様がベイト工法を選択したことは決して「ゴキブリを見たくない」から
といって、毎年春先、ゴキブリが出る前から定期的に室内で煙霧剤を
何本も使用する・・とは違います。
だって、ゴキブリは「家を食べない」ですからね。シロアリは家を食べます。
だから「自然の神様、ごめんなさいという気持ちです。」・・になる必要は
まったくないと思います。
たしかに、地球=自然にとってシロアリは益虫です。地球=自然にとって
は人間こそが大害虫ですよね。でも、シロアリが「家を食べない虫ならともかく」
家を食べる以上はゴキブリと同列には考えることはない、と思います。
いろんな虫達がいて、そのそれぞれが「独自の習性と個性」を持って
います。その「独自の個性」に応じた「虫達とのやりとり」が「駆除」だと
私は思っています。
しつっこいですが、ゴキブリとシロアリは個性が違いますから、ベイト工法も
ひとつの「駆除」のあり方であって、それによって、お互いの「棲み分け」を
虫達に教える(やりとりする)ことは必要だと思います。
だから、くれぐれも・・○○様がベイト工法を選択したことを心の負担に
感じることはない・・・と私は考えます。
以上です。三流防除士の戯言でした(笑)
それではおやすみなさい。どうか、○○様が心安らかになられますように。
丁寧なメールをいただいて本当に嬉しかったです。ありがとうございました。
toyoさま
お返事、本当にありがとうございました。
読んでいて、泣けてきました。
「共生」という考えなのですね。
心がとても、楽になりました。
こんなに丁寧に教えてくださって、本当にありがとうございます。
toyoさんの、お仕事への心の込め方、見習いたいです。
これからも、ブログ楽しみにしています。
ありがとうございました。
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