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独断と偏見の薬剤選び(シロアリ編) [薬剤の選び方]


みなさん、こんにちは。

今回はメール相談で一番質問の多いシロアリ防除剤に
ついて書いてみます。少しでも参考になったら幸いです。
それから、以下の内容はあくまでシロアリ屋として私が
今まで実際に使った薬剤についての個人的な感想です。

私は化学者でもないし、単なる零細業者に過ぎないので
化学薬剤の成分についての専門的な質問には答えられ
ないことをご容赦くださいね。

使ってみて、あまりに異臭がキツく危険を感じ、もう二度
と使いたくないと思った薬剤もあります。でも、それは公表
して(もし製薬会社から訴えられても困るので)比較的に
安全だと思うものだけ紹介することにします。

シロアリ防除剤は約400種類くらいあります。といっても
商品名別での話で、成分名別だと40種類くらいです。
その中でほんとに人体に安全なのはどれくらいなのかは
正直言って私にもわかりません。

そもそも虫を殺すための薬剤が、人間にはまったく無害だ
なんて矛盾してますからあり得ないですよね。
それに用法容量によっても危険度は大きく変わってくると
思います。

正直に言うと、私は勤めていた頃は薬剤の危険性について
は無自覚・無関心でメーカーの説明やカタログを鵜呑みに
していました。
もっとはっきり言えば、売上にしか関心がなくて薬剤の危険
性なんてどーでもいい・・という無責任な人間でした。

お客様の健康よりも売上だったのです。
それがある日、偶然、書店で衝撃的な本と出会いました。
この本です。
51MHGKWVMJL._SL500_AA300_.jpg
この本と出会って一時はシロアリ業を辞めようかと思うくらい
のショックを受けました。私にとってはブレイクスルーというか
価値観の大転換を余儀なくされた・・というか、この本と出会
わなければきっとこんなブログも書いていなかったと思います。

そして、売上よりもお客様の健康第一という考えに変わり
ました。というか強引にこの本に変えさせられた・・というほう
が正解です。ああ、こんな本と出会わなければよかったのに
・・と一時はこの本を恨みがましく思いました。

でも、今はこの本との出会いは偶然ではなく必然だったと
思っています。おかげさまで売上はガタ落ちで経済生活は
ずいぶんとキツくなりましたが(笑)
まあ、でも精神生活はすごく楽になったように感じています。
高い理念というか今まで無縁だったそういうものを明確に
教えてもらったとも思っています。

実は、10年以上前の話ですが、某市会議員から相談を受け
たことがあります。相談内容は、その議員の知り合いのご
家族が・・「隣の家がシロアリ駆除をしたら被爆したらしい」
ので相談にのってやって・・というものでした。

詳しい経緯は省きますが、よーするに「隣の家の薬剤の影響
を受けて甚大な薬害被爆を受けてしまった」
らしいのです。
さっそく、お邪魔したのですが、お客様からすれば、私も同業者
ですから「同じ穴の狢」と思われて相手にされませんでした。

で、何度か通ううちにやっと心を開いてくれて聞き出した話は
・・・お隣の家が駆除してから約半年後に皮膚の湿疹、睡眠障害、
吐き気、頭痛、下痢、めまい、のどの痛み・・などの症状が出た
そうです。

それで、保健所や県や市や医者などあらゆるところに相談した
けれど、どこも真剣に取り上げてくれなかった・・と言います。
しまいには隣の家を駆除した業者から「裁判なんかしても、どーせ
勝てっこない」と脅しを受けたといいます。ひどい話です。

たしかに、裁判しても「お隣の駆除と被爆」との因果関係が「証明」
できなければ勝てる見込みはありません。それに裁判費用も
ないし、結局は「泣き寝入り」になりました。多くの場合はこれが
現実です。

他にも似た事例は全国であるようです。でも、こういうことはあまり
世間では知られていません。ほかにも薬害について相談を受けた
ことが何度かありますが、私は自分の力の無さに情けなくなり
ました。

・・と前置きが長くなりました。
なんとか薬害の危険のない天然系のシロアリ防除剤はないかと
探しては試した時期があります。某有名大学の某教授の本に、
木(竹)酢液で安全にシロアリ防除できる・・と書いてあったので、
さっそく試してみたら見事に失敗。この経験から木(竹)酢液は
シロアリには無力と断言できます。とても苦い思いというか大恥
をかきました。あ、失敗とはシロアリが再発したという意味です。

次に、ヒバ油が成分の薬剤を使いましたが、これも見事に失敗。
これにはほんとに期待していたんですけどね。その後、EN菌が
主成分の防虫剤などいろいろ使いましたが失敗の連続でした。
このへんの経験は「シロアリ屋の独り言」にも書いたことがあります。
私の経験では木(竹)酢液やヒバ油が成分の薬剤はもって数ヵ月
でした。仕方がないので結局、元の化学薬剤に戻りました。

そのときに使っていたのがこれ。これはアメリカではスーパー
でも売っているそうです。散布後に若干臭いがしますが、お客様
に頭痛とか異常が起こったことはなかったです。
http://www.tt-techno.co.jp/gyoumu_seihin/11-03.html

aripires-me.jpg

・・で、その後に比較的「安全性の高い化学薬剤」もいくつか作ら
れてきたようですが、この薬剤と被爆との関係はとても「個人差」
が大きいのでいちがいにいえない側面もあります。Aさんには
大丈夫でもBさんには甚大な影響が出た・・とかですね。

現在、私が駆除で使っているのはこれです。業者経由でないと
入手は難しいでしょう。
http://www.sumika-env-sci.jp/products/env/env-termites/soil/micro/121030.html
73630000.jpg
天然ピレトリンは私は平成17年から使っていますが、今迄
クレームはゼロです。ほとんど無臭でお客様からも好評です。
あ、別に売り込む気はないですが、気管支炎やアトピー、
アレルギーの家庭でも私の経験では大丈夫でした。

ほかにもハチクサンとかタケロックも使ってみましたが、今の
ところ問題はないようです。タケロックは調べたらアマゾンでも
扱っていましたので参考までに左に載せておきました。
一般の方にも入手可能です。

http://www.tt-techno.co.jp/gyoumu_seihin/12-09.html

30881553.jpg

http://www.tt-techno.co.jp/gyoumu_seihin/11-00.html

http://www.chemipro.co.jp/product/home_e/index_d.php?prm=5&col=3

893-0 (1).jpg 73702600.jpg

それから、どんな薬剤でも絶対に安全だ・・ということではない
んです。免疫力の弱い老人や子どもたちにとっては安全と言わ
れても安全でない場合があります。ベターであってもベストの
薬剤はないと思います。

私の薬剤選びの基準は「免疫力の弱い老人や子どもたち」
できるだけ安全性の高い薬剤を選ぶことです。
上記の薬剤は私的にはまあ合格だと思っています。でも免疫力
は人それぞれなので、絶対に大丈夫という意味ではなく相対的
に危険性がかなり少ない・・とは言えると思っています。

それからホウ酸系の薬剤については安全性は抜群ですが「水分
で溶脱」しやすいので、湿気や結露が起こらない造りの場合なら
いいと思います。今、ざっと調べたら某シロアリサイトなどを見ると
ヒバ油など推奨してるし・・どうだかなあ~と思ってしまいます。
推奨してる人は実際に使ったことがあるのかしら?自然と環境に
負荷をかけない薬剤は裏返せば効果が少ない・・ともいえる気が
します。このへんの判断はほんとに難しい。

・・ということでおしまいです。
薬剤の詳しい成分についてはいくらでもネットで調べられると思い
ますので説明は省きます。今回の内容は、あくまで私の経験から
でもっといい薬剤もあるかもしれません。新しい薬剤の使用経験
が増えたらまた紹介したいと思っています。

最後に・・なんのために駆除するのでしょう?
もちろん、家をシロアリから守るためですよね。家をシロアリから
守ることは家庭を守ることですよね。
もし、ご家族に重篤なアレルギーの方がいるなら、たとえシロアリ
がいても駆除しない・・というのも立派な選択肢だと私は思います。
だって、シロアリを殺して家族が薬害被害に苦しむことになったら
本末転倒ですものね。

なんだか、めちゃめちゃな駄文になりました。ごめんなさい。
もし参考になりそうな部分があったら参考にしてくださいね。
それではみなさん、ごきげんよう。


独断と偏見の薬剤選び(キクイムシ編) [薬剤の選び方]


みなさん、こんにちは。

たくさんのメール相談をいただいていますが、その中で私が
使っている具体的な薬剤名や敷炭の炭を教えてください・・
というのが多いです。

そりゃあそうですよね。メールで相談されるというのはそれだけ
困っているというか切実ということでしょうから。
それで今回はメール相談はお休みにして具体的な対処法と
使用薬剤について書いてみます。

で、薬剤を教えるのは簡単ですが、私が気になるのは相談者の
健康です。アレルギ-体質、気管支炎、アトピー等が薬剤に
よって悪化(薬害)しないとも限らないからです。

それで、私なりになるべく安全性の高いと思うものをアマゾンで
探してこのブログの両サイドに載せてあります。でも、アマゾンで
探しても見つからなかったものも多いです。防除関係の薬剤は
特殊なので専門業者にしか卸さない場合が多いようです。
毒劇物も多いから仕方ないですね。

そういう場合は成分が同じとか、なるべくプロ仕様に近い商品を
選びました。で、今回はキクイムシ駆除にお勧めの薬剤を紹介
します。

この薬剤も数年前までは一般には小売されていませんでした。
仕方ないので相談者に私の在庫からお送りしたこともあります。

でも最近、アマゾンでも扱い始めたようなので紹介します。
私が使っているのはこれです。
2010,8,27,キクイムシ 013.jpg

この良い点はムースなので室内の空気汚染の危険が少ないこと。
安全性がとても高いと思っています。

また、キクイムシだけでなくシロアリにも効きます。といっても
根本的には無理ですが、それでも柱や木部の被害の進行を
ストップさせることはできます。

(下の写真は勝手口のシロアリ被害に使った例です)
001.jpg

(床下も処置してありますが床上の被害拡大を防ぐ目的で
使いました。ムースは自然に消えます。跡も残りません)
003.jpg

スプレーだとやっぱり室内に飛び散って空気汚染することもあり
ますから注意が必要ですがこれなら安全だと思っています。

以下参考写真です。
026a.jpg
(これはユニットバスの真上です。キクイムシの粉が落ちています)

051.jpg
(キクイムシの穴のアップです)

052.jpg

(天井から粉が落ちてきました)
08260003.jpg

(アップです)
08260005.jpg

(畳に落ちた粉です)
08260001.jpg

(天井板に無数の穴が空いています)
2010,8,27,キクイムシ 009.jpg

2010,8,27,キクイムシ 007.jpg

(ムースを塗りつけます)
2010,7,26,スズメバチ 004.jpg

(塗りつけたあとに刷毛で伸ばします)
2010,7,26,スズメバチ 007.jpg

(床柱に発生したキクイムシです)
DSCF0329.jpg

(無数に穴が空いています)
DSCF0332.jpg

(ここは床下です。たくさんの粉が落ちています)
056.jpg

(床下はシロアリ防除剤を吹き付けます)
063.jpg

(シロアリ防除剤でシロアリとキクイムシを駆除できます)
071.jpg

キクイムシについて詳しい生態は以下のサイトを参考にしてね。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%82%B7

最後に・・・
今まで建材の防虫・防腐目的で強い薬剤(ホルムアルデヒドとか)が、
使われてきましたが、最近は環境汚染の問題もあるので弱い薬剤に
変更してる場合が多いようです。このこと自体は歓迎すべきですが、
今度は、今までおとなしくしていた木材関係の虫類が勢いを増して
きたようです。今後も無垢の木材などは特にキクイムシ被害が増える
傾向がみられます。そういう場合の参考にしてくださいね。

それでは、最後までお付き合いいただいてありがとうございます。
これからもゴキブリやネズミ等について順次、薬剤と駆除のしかたに
ついて書いてみようと思っています。


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